臨床工学技士の悩みは転職で解決!将来性のある勤務先と転職方法

2019年03月11日

コメディカルコラム
臨床工学技士の悩み

医療機器の技術進歩には目覚ましいものがあり、医師や看護師だけでは対応が難しくなりました。

医学と工学の知識を持つ専門職として、臨床工学技士は存在感を増しています。

しかし実際は、待遇や勤務形態などで悩み、転職を考えている方も多いようです。

そこで今回は、臨床工学技士が持つ悩みや将来性、おすすめの転職先や取得しておくと有利に働く資格について解説します。

臨床工学技士のよくある悩み

医療機器のスペシャリストとして、最前線の医療現場を支える臨床工学技士ですが、実際には悩みを抱え、転職を考えている方も多くいらっしゃるようです。

では具体的に、臨床工学技士にはどのような悩みがあるか見てみましょう。

患者さんとの接し方に自信がない

臨床工学技士は医療機器の専門家ですが、機械を相手にしていれば済むわけではありません。

たとえば人工透析装置の操作時、装置が安全に稼働しているかを確認するとともに、患者さんの体調にも気を遣う必要があります。

本人が口にしないような不満や不調を、聞き出さなければならないこともあります。

臨床工学技士には、患者さんと向き合い、不安を和らげることも求められるのです。

機械をいじるのが好きで、技術者に憧れて臨床工学技士になった方も多いですが、中には対人関係が苦手、という方もいるでしょう。

そのような場合、患者さんとのコミュニケーションに悩まれることが多いです。

専権業務がない

臨床工学技士は1987年に制定された、比較的新しい資格で、専権業務、すなわち臨床工学技士のみに認められた独占業務がありません。

つまりは医療現場において、臨床工学技士が行う業務は看護師が代行することもできるのです。

そのため臨床工学技士の中には、医師と違って専門職としての権威を保つことができず、不満を感じて悩んでいる方も多いようです。

ただ看護師は、高度な医療機器を扱う専門教育は受けていません。

従って、日進月歩で進化する医療機器の操作には、高度な知識と技量を持った臨床工学技士の存在が欠かせません

オンコールが多い

臨床工学技士が抱える悩みで一番多いのがオンコールによる呼び出しです。

当直であれば、医療機関で待機する時間も勤務時間とみなされ、それなりに手当もつきます。

しかし、オンコールの場合は労働基準法に定めがなく、医療機関により扱いはまちまちです。

オンコール担当になると、緊急連絡を受けられる状態であれば何をしていてもOKですが、いったんオンコールがかかれば即対応しなければなりません。

オフタイムであってもおのずと制約がかかります。

例えば、飲酒を控えるよう意識したり、就寝時にも携帯は手放せません。

住まいは病院の近くに構えなければならないなど、身体的・精神的な負担となることがあります。

サービス残業が多い

緊急を要する医療現場においては24時間体制を敷くのは当然で、どうしても残業は発生してしまいます。

千葉県臨床工学技士会の調査[1] によれば、残業に伴う残業代は「残業時間に応じて支払っている」と回答した医療機関は全体の73%にのぼります。

その一方で、現場のスタッフからは「残業を申請しにくい」、あるいは「残業として認められない会議が多い」などの回答も寄せられています。

ワークライフバランスが叫ばれる中、医療の現場ではサービス残業が常態化していることが、臨床工学技士を転職へと駆り立てる原因の一つとされています。

[1] 参考サイト
■社団法人千葉県臨床工学技士会/臨床工学技士の雇用環境に関するアンケート調査の結果報告
http://www.chibarinkou.com/_src/534/288ed02990e797t8ca797d58fb08dh8aw8bz8em89ef8a8893ae95f18d90.pdf

臨床工学技士の将来性

臨床工学技士への需要は、今後益々高まっていくことでしょう。

ここでは、その理由について解説します。

医療機器の高度化に伴う需要増

医療現場の最前線においては、生命維持装置や人工心肺装置など、最先端の医療機器が数多く導入されています。

これらの高度な機器を使いこなすには、臨床工学技士のスキルが必要なのです。

また外科手術においても、「ダ・ビンチ」と呼ばれる手術支援ロボットが活用されるなど、臨床工学技士の活躍の場は広がりを見せています。

最新の医療機器が稼働するために、医療チームの一員として、臨床工学技士の存在感は増していくことでしょう。

専門知識や技術などのスキルアップが必要

医療現場における臨床工学技士の認知度はまだまだ低く、需要に対して人材の供給が追いついていないのが現状です。

能力の差にも開きがあり、日々進化する技術にキャッチアップできる、向学心のある有資格者が求められています。

こうした事情から、臨床工学技士会が認定する臨床工学認定制度など、資格取得による技術のブラッシュアップが必要になっています。

また、臨床工学技士と臨床検査技師の資格を併せ持つなど、複数の資格を取得してキャリアアップにつなげる道も開かれています。

医療機器の修理で病院経営への貢献に期待

医療機器もオフィスのコピー機と同様、故障して修理を必要とする場面は容易に想定されます。

外部のメーカーに修理を依頼すれば高額な修理費用が掛かりますし、業者の都合で修理が遅れれば、緊急時の場合は人命にかかわることにもなります。

そのような時、機器の修理にもたけている臨床工学技士が常駐していれば、病院内での修理が可能になります。

修理にかかる費用も削減できるため経理上の負担も軽減されるので、病院を経営する側からも重宝される存在となります。

医療機器使用における安全性の向上

医療現場において、医療事故を事前に防止することは、常に至上命題と言えるでしょう。

医療事故の原因は様々ですが、医療機器の誤動作や故障が引き起こすケースもあります。

臨床工学技士は、そのような医療機器が原因で発生する医療事故を防ぐためにも、大きな役割が期待されています。

生命維持装置など、患者さんの命をつなぐ医療機器には、臨床工学技士による安全な操作とメンテナンスが欠かせません。

今後一層、医療現場における臨床工学技士は大きな責任を果たす存在となるでしょう。

臨床工学技士の年収

ここからは、臨床工学技士の給料について見ていきましょう。

平均的な年収と夜勤手当

厚生労働省の統計[2]によると、平成30年の大卒の初任給の平均額が206,700円です。

臨床工学技士の給料は同程度か、それ以下の金額です。

また、リクナビNEXTによると、臨床工学技士の平均年収は約430万円です。

20代では約340万円、60代では約800万円と、年齢ごとに年収も上がっているようです。

勤務時間中に夜勤が入ると、1回に約3,000円から5,000円の手当がつきます。

また医療期間によっては、人工透析業務に携わる臨床工学技士は月額で約5,000円から20,000円の夜勤手当が支給される職場もあるようです。

このように夜勤手当の額により、収入にも変動が見られます。

[2]参考サイト
■厚生労働省/平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/18/01.html

勤務先によって年収は異なる

臨床工学技士の年収は、医療機関の所在する地域や規模により変わってきます。

通常はやはり、大都市にある医療機関の方が地方よりも高収入が期待できる傾向にはあります。

リクナビNEXTの調査では、医療機関や福祉施設に勤務する臨床工学技士の平均年収が約400万円台であるのに対し、医療機器メーカーに勤める方は約500万円台という結果が出ています。

このように業種間でも、年収格差は生じているようです。

臨床工学技士のおすすめの転職先

この項では、臨床工学技士の経験が活かせる転職先をご紹介します。

アプリケーションスペシャリストへの転職

医療機器メーカーが募集する専門職の中に、「アプリケーションスペシャリスト」という職種があります。

病院やクリニックなどに医療機器を導入する時に、機械の使用方法や注意点などを教えたり、デモンストレーションを行うのが主業務です。

他には、医療学会へ参加して医療機器のデモンストレーションや研修会を行うのも重要な仕事の一つです。

アプリケーションスペシャリストを勧める理由

アプリケーションスペシャリストの年収の相場は、未経験者で400万円から500万円、経験者で500万円から700万円、管理職で700万円から1,000万円くらいです。

次に勤務形態ですが、基本的には週休二日制で土日が休みです。

月の平均残業時間は、10時間から40時間くらいです。

また夜勤は原則としてありません。

臨床工学技士の転職を考えたらすべきこと

臨床工学技士が転職する際は、技術的能力を有していることを客観的に証明する必要があります。その際に有効なのが、認定試験です。

透析技術認定士

透析療法合同専門委員会が主催する認定講習を修了して、認定試験に合格すると取得できます。

この資格は、人工透析の専門知識を有していることを証明するものです。

体外循環技術認定士

日本人工臓器学会が主催する認定試験に合格すると得られます。

体外循環装置のスペシャリストであることを証明する資格です。

呼吸療法認定士

「3学会合同呼吸療法認定士認定委員会」が創設した認定制度で、認定試験に合格することで取得できます。

呼吸療法を習得し、人工呼吸器の操作に習熟していることを証明する資格です。

臨床高気圧酸素治療技師

日本高気圧環境・潜水医学会が主催する認定制度です。

高気圧酸素治療装置の操作に関する能力を証明する資格です。

臨床工学技士の悩みは転職エージェントで解決

いざ転職に踏み切ろうにも、十分な情報収集を怠れば、満足のゆく転職はできません。

そうは言っても、臨床工学技士が日々の業務をこなしながら転職に必要な情報を集めるには限界があります。

そこで注目して欲しいのが、転職エージェントの存在です。

転職エージェントに登録すると、豊富な転職情報を持つキャリアコンサルタントから、適切なアドバイスを受けることができます。

個人の経験や希望に合った転職先を提案

転職エージェントのキャリアコンサルタントは、臨床工学技士の職務についても十分に把握しており、サイトには掲載していない非公開求人情報も多数保有しています。

貴重な求人情報と業界知識を持つキャリアコンサルタントに相談することで、個人の希望に沿ったきめ細かいアドバイスを受けることができるのです。

転職活動サポートや条件交渉もおまかせ

転職エージェントに登録すると、転職案件の紹介はもちろん、履歴書や職務経歴書の作成や面接時のアドバイスを受けることができます。

採用後は転職先と年収などの交渉も引き受けてくれるので、安心して任せられます。

応募先の実態を聞けて失敗が少ない

転職を希望する先の情報はホームページやインターネットの口コミなどから、ある程度調べることは可能です。

しかし、実際の職場環境や仕事の状況については、外部からは中々知ることは難しいようです。

転職エージェントであれば、応募先の事情については熟知していますから、連携して転職活動に臨めば転職してから後悔することもありません。

まとめ

臨床工学技士が現状に悩んでいる実態と将来性、おすすめの転職先、取得しておくべき資格などについて解説してきました。

臨床工学技士は高度な知識と技術を持つ専門職ですから、医療機関や民間企業におけるニーズは多いです。

ただ必ずしも満足のいく転職活動ができるかといえば、そうでもないようです。

実際には転職後に年収が下がったり、待遇に不満が残ったりするケースもあるようですが、転職エージェントをうまく活用することで、希望の職場へ転職することが可能になります。

これまでの臨床工学技士の職歴を活かし、キャリアアップにつながる転職を実現しましょう。


このコラムの監修者

株式会社エリメントHRC

キャリアアドバイザー

水野 裕貴(みずの ゆうき)

大学卒業後、外資系保険会社にて法人・個人向けにリスクコンサルティング業務に従事。現在は、人材コンサルタントとして医療系有資格者の方に特化した求人をご紹介。病院・事業会社双方へ約1200名を転職成功に導く。候補者様が、次のステージで輝かしいキャリアを築いて頂く為の面談を行っている。