臨床工学技士として働く悩みとは…転職方法のコツを紹介!!

2019年03月11日

コメディカルのコラム
臨床工学技士の悩み

日々高度に進化する医療機器のスペシャリストとして現代医療に必要不可欠な臨床工学技士。
メディカルスタッフの一翼を担い、最前線で医療を支える重要なお仕事ですが、実際に働いてみると臨床工学技士ならではの悩みがあり、転職を考える方も多いという実情があります。
今回は臨床工学技士が抱える具体的な悩みを共有しながら、将来に向けた転職について分かりやすくご説明いたします。

臨床工学技士の仕事が辛い、転職したい人の悩み

千葉県臨床工学技士会の調査によると、「職場を変わったことがある、または変わろうと考えている」と回答した臨床工学技士は38%にもなりました。[注1]
臨床工学技士の方の具体的な悩み読み解くことにより、将来の勤務先に求める基準を明確にしていきましょう。

患者さんとの接し方に自信がない

臨床工学技士は医療機器の専門家ですが、医療機器だけを見ていれば良いわけではありません。

例えば、人工透析装置を操作する時も、装置が安全に作動しているかを確認するとともに、患者さんの体調を確認し、患者さんがあえて言わないような不調も聞き出すことが必要になる場面もあります。

医療機器と共に生活をする患者さんは悩みや不安を抱えていらっしゃいます。患者さんの心に寄り添い、不安を和らげることも臨床工学技士には求められているのです。

技術や機械が好き、得意、ということで臨床工学技士になったけれど、コミュニケーションが不得手という方もいます。そういった方は医療の場での患者さんとの接し方に悩みを抱いています。

臨床工学技士に専権業務がない

臨床工学技士は1987年に制定された比較的新しい制度です。[注2]
そのためか、臨床工学技士には専権業務がありません。例えば臨床工学技士が行う業務は看護師も行うことができるのです。

専権業務がないことで、専門職としてのプライドを持つことができずに悩むこともあるでしょう。

ただし、看護師は高度な医療機器を扱う専門教育を受けているわけはありません。日々進歩する医療機器には臨床工学技士の知識や技術が必要なのは確かです。専権業務がなくても、プロとしての自信と誇りを持って日々の業務にあたることで悩みを克服していけるでしょう。

オンコールがあまりにも多い

臨床工学技士を最も悩ませるのが「オンコールによる呼び出しが多くオフタイムの行動が制限されること」です。

宿直や当直であればその時間は労働時間とみなされ手当が加算されますが、オンコールに関しては労働基準法に明確な定めがなく、運用は医療機関によって様々です。

特定の場所で待機している必要はありませんが、オンコールを受けたらすぐに対応が必要となるために、日常生活に制限が多いのは否めません。

*オフタイムでも飲酒を控える
*就寝時も枕元に携帯を置き、オンコールがあれば対応する
*病院の近くに住んで緊急時に対応する

など、いつ呼び出されるか分からない状態は身体的に精神的にも大きな負担となっています。
特に救急対応を行う病院であれば深夜の呼び出しが頻繁な場合もあり、体調管理が必要になります。

仕事日にはサービス残業が当たり前になっている

24時間体制の病院では残業がどうしても発生します。特に救急患者や緊急手術の対応が必要となれば、数時間の残業は避けられません。

千葉県臨床工学技士会調査委員会の調査によると、残業時間に対する賃金は「残業時間全てに対して支払われる」と73%の方が回答されています。しかし、実際には「残業をつけにくい」「残業として認められない会議等が多い」という現状を回答している方もいます。[注1]

つまり残業申請はしないが時間オーバーが日常化しているという声もあります。
ワークライフバランスを重視する方が増える中、残業だけでも減らしたいところをサービス残業が当たり前になっているようでは転職を考えてしまうのも当然です。

解決策として、夜間透析を行っていない透析クリニックなど、日勤のみの勤務が可能な職場への転職もあります。

臨床工学技士の給料・年収

次は、気になる臨床工学技士の年収を見ていきましょう。

一般的な初任給は17万円〜20万円・平均年収は約430万円

臨床工学技士の一般的な初任給は17万円〜20万円が相場です。[注3]
厚生労働省の調査によると平成30年の大卒初任給の平均が20万6,700円ですから、だいたい同等かやや安い程度の額となります。[注4]

リクナビNEXTの調査によると臨床工学技士全体の平均年収は約430万円となっています。20代では約340万円〜、60代では約800万円と、年齢が上がるにつれて年収も上がっていきます。[注5]

収入は夜勤手当などで変動する

一般的に夜勤をすると1回あたり約3,000円〜約5,000円の夜勤手当がつきます。また、人工透析業務に関わる臨床工学技士には月額約5,000円〜約20,000円の手当を支給する職場もあります。[注3]

こういった手当によって収入の額も変動しますが、職場により規定の内容に違いがあるため、事前にしっかり確認しておくと良いでしょう。

勤務先によって収入の差が出る

臨床工学技士の収入は、職場のある地域や規模によっても差が出ます。
一般的にはやはり都市部の大病院のほうが収入額は高くなる傾向にあります。

また、リクナビNEXTの調査によると、医療機器メーカーに勤務する方の平均年収が約500万円台であるのに対し、医療・福祉関連の職場に勤務する方の平均年収は約400万円台。業種間でも差が生まれるようです。[注5]

臨床工学技士の将来性

臨床工学技士の将来性

臨床工学技士は今後ますます需要が高まることが予測されます。その背景を具体的に見ていきましょう。

高度化する医療機器へ対応できる人材が必要とされている

現代の医療においては、人工心肺装置や生命維持装置などの高度な医療機器が数多く取り入れられています。これらを使いこなすためには臨床工学技士の存在が必要不可欠です。

手術の現場においても、最新の手術支援ロボット(ダ・ヴィンチ)によるガンの切除手術が行われるなど、高度化する医療機器を使いこなす必要性が増しています。

最先端の医療機器を活用するために、臨床工学技士は医療チームにますます欠かせない存在となっていくことでしょう。

よりスキルアップした臨床工学技士が求められている

臨床工学技士の知名度はまだまだ低く人材が足りていない現状があります。
個人による能力の差も大きく、より向学心を持ち日々進歩する技術の勉強を怠らない有資格者が求められています。

こうしたニーズから、臨床工学技士会認定の「臨床工学認定制度」など、さらなる資格取得によりスキルアップできる道もあります。

また、大学や大学院に進学して研究職を目指す人も。
臨床工学技士+学士or修士、臨床工学技士+臨床検査技師など、他のライセンスも取得してスキルアップを図れば、さらに求められる人材となることでしょう。

修理費用を抑えて病院経営を向上することが期待されている

医療機器は経年劣化やトラブルにより破損することがあります。
この場合、メーカーに修理依頼をすると高額な修理費用がかかる上に修理中はその医療機器を使えなくなってしまいます。

そんなときに研修を受講して修理を行える臨床工学技士がいれば、病院内で医療機器の修理が可能になります。
修理費用を抑えられて迅速に対応できれば、病院経営の向上にも貢献できるため、そのような臨床工学技士の必要性が高まっています。

医療機器使用における安全性の向上が重視されている

医療事故を未然に防ぐことは医療現場の重要な課題となっています。
医療事故の原因は様々ですが、医療機器の管理不足や不具合から起きる場合もあります。

臨床工学技士はそのような医療機器のトラブルによる医療事故を減らすためにも重要な役割が期待されています。
生命維持装置などの最新医療機器は、臨床工学技士による正しく安全な操作や保守点検が欠かせません。

今後も医療の安全の向上のために臨床工学技士の存在が重要になっていくことでしょう。

臨床工学技士の人が転職活動を成功させるコツは転職エージェントの利用

転職エージェントを利用すると、豊富な情報を持つキャリアコンサルタントのアドバイスを受けながら自分に最適の転職先を見つけることができます。
臨床工学技士が転職活動を成功させるために転職エージェントを利用するべき3つの理由をみていきましょう。

理由1. 転職エージェントなら個人に合った転職先を提案できる

まず転職エージェントのキャリアカウンセラーは臨床工学技士の職務内容に精通しています。
さらに転職サイトには載せられていない非公開の求人情報も扱っています。
知識と情報を合わせ持つ転職エージェントと相談することで、より個人の希望に沿った転職先に巡り合う可能性が高まります。

理由2. 転職活動のサポートから勤務条件の交渉も任せられる

臨床工学技士のお仕事をこなしながらの転職活動は大変ハードなものです。
転職エージェントを利用すれば、転職案件の紹介だけではなく、面接の日程調整や煩雑な履歴書や職務経歴書の作成、面接の対応などのアドバイスを受けることが可能です。

また、いざ採用へと話が進んだ段階では、年収の交渉やワークライフバランスとの兼ね合いなどの調整も任せられます。
転職エージェントと二人三脚で転職活動を行うことで、負担を減らして前向きに活動できるメリットは大きいですよ。

理由3. 応募先の実態を聞けるため失敗しない転職ができる

転職エージェントは応募先の医療施設の環境について良く知っています。そのため、情報不足のまま転職してしまい「こんなはずではなかった」という事態になるのを回避できます。
転職して良かった!と思えるような転職のためには転職エージェントを活用してみるのがおすすめです。

まとめ

医療現場で悩みを抱えている臨床工学技士の方は、まず転職エージェントに相談をしてみましょう。
一人で悩むよりは転職エージェントと二人三脚で将来に向ける話し合いをしたほうが、より医療現場に貢献しながらご自身のライフプランに合う職場を探せるようになるでしょう。
希望する転職を叶えるためにも、より多くの情報を持つ転職エージェントを利用することをおすすめします。

[注1]社団法人千葉県臨床工学技士会/臨床工学技士の雇用環境に関するアンケート調査の結果報告
http://www.chibarinkou.com/_src/534/
288ed02990e797t8ca797d58fb08dh8aw8bz8em89ef8a8893ae95f18d90.pdf

[注2]公益社団法人日本臨床工学技師会/臨床工学士について

臨床工学技士について

[注3]キャリアガーデン/臨床工学技士の給料・年収
http://careergarden.jp/rinshoukougakugishi/salary/

[注4]厚生労働省/平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/18/01.html

[注5]リクナビNEXTジャーナル/医療系は引く手数多?臨床工学技士の平均年収実態とは
https://next.rikunabi.com/journal/20160129_s21/