病院薬剤師への転職は難しいの?調剤薬局との違いや人気の理由

2019年01月20日

薬剤師コラム
薬剤師への転職

薬剤師の数が年々増加傾向にある中で、薬局薬剤師の転職先として病院薬剤師に注目が集まっています。

しかし仕事面や給与面を事前に確認しておかないと、満足のいく転職は果たせないでしょう。

今回は、薬局薬剤師と病院薬剤師との違いに触れつつ、病院薬剤師の人気の理由や転職する方法について説明します。

病院薬剤師と薬局薬剤師との業務の違い

薬局薬剤師が希望する病院薬剤師とは、どのような仕事なのでしょうか。また、両者にどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

病院薬剤師が人気の理由とは?

病院薬剤師と薬局薬剤師との相違を語る前に、病院薬剤師の仕事面や給与面における不満について確認しておきましょう。

仕事量に見合った給与を支給されていないといった、待遇面で満たされていない方が多いようです。

病院薬剤師の仕事は薬局薬剤師に比べて激務であることが多く、夜勤や残業は常態化しています。

休日もサラリーマンのように決まった曜日に取ることはできす、連休の取得は難しい状況です。

また、本来取り組みたい自分の専門分野とは異なる分野の担当にされ、仕事のモチベーションが保てないという現実もあります。

病院薬剤師が抱える給与面の不満も深刻なものがあります。

病院薬剤師の平均年収は約450万円程度で、薬局薬剤師の平均年収は約500万円とされています。

年間で50万円もの格差が生じることになります。

それでもなお、薬局薬剤師から病院薬剤師への転職はあとを絶ちません。これはどうしてなのでしょう。

病院薬剤師を選ぶ理由

薬局薬剤師が病院薬剤師への転職を目指す背景には、仕事におけるやりがいを重視されている現状があるようです。

医療機関に務める病院薬剤師は、業務の中で最先端の医療に携わることができ、自らがこころざす専門技術を学べる環境にあると言えるでしょう。

それに比べて薬局薬剤師は、提携している病院やクリニックが決まっており、扱う薬品類も限られているため仕事も半ば単調なものになりがちです。

薬剤師として技術のブラッシュアップを図りたい方には、病院薬剤師はまぶしい存在に映るのかもしれません。

薬局薬剤師で、収入アップを目指して病院薬剤師への転職を考えている方はあまりいないといって良いでしょう。

なぜなら病院薬剤師よりも、薬局薬剤師の方が給与面では恵まれているケースが多いからです。

もっとも、大きな医療機関や薬剤師の人数が足りていない病院では、この限りではありません。

病院薬剤師が人気の仕事である理由

病院薬剤師が人気を集める理由は、医療機関で最先端医療に接して希望する専門性を磨く機会を得られることでしょう。

チーム医療の一員として患者さんと接し、仕事にやりがいを見出せるのが病院薬剤師です。

病院自体の数が少ない

薬局の数に比べれば、病院の数は少ないです。

最近では病院で処方箋を発行してもらうと、それをもって病院の近くにある処方箋薬局へ行き、薬を処方してもらう院外処方が多くなりました。

一つの病院に対して、その周辺に複数の薬局が店舗を構えているため、病院数よりも薬局数が上回ってしまうのです。

したがって、数で勝る薬局薬剤師が、少ない病院薬剤師の求人に集中する結果となります。

特定分野の専門を身につけることができる

病院薬剤師は、最先端の医療現場に身を置くことができます。

がんや深刻な疾病で苦しむ患者さんは多く、病院勤務であれば専門治療を施せる薬剤師を目指すことができるのです。

臨床経験は大きな魅力

臨床現場での経験は、病院薬剤師でなければすることができません。

病院によって異なりますが小中規模の場合だと、半年ほどで仕事を任せてもらえることもあります。

自身のキャリア形成にとっても「臨床経験」は病院薬剤師の大きな魅力といえるでしょう。

チーム医療に携われる

病院では、医師や看護師、検査技師、栄養師など、多職種のスタッフが、それぞれの専門分野を活かして連携し、患者さんに対して質の高い医療を提供する「チーム医療」という体制を敷いているところも増えています。

通常チーム医療では、一人の患者さんに対して、医師、看護師、療法士、薬剤師などが結集して、総合力で治療にあたります。

各分野の専門スタッフがそれぞれの立場から、最善の治療に向けて意見交換がなされます。

その時、病院薬剤師も薬品の専門家として、自らの知見を提示するのです。チーム医療に携われることは、病院薬剤師の特権でもあります。

病院薬剤師に転職する方法

ここからは、病院薬剤師へ転職する際、おさえておくべきポイントについて解説します。

総合病院は求人数が少ない

大きな医療機関では比較的、給与面の待遇が良く、福利厚生についても手厚いものですが、求める人材のスキルのレベルも高いです。

そのため求人数が極端に少なく、転職するのは難しいです。

また総合病院では、決まった時期やタイミングでしか求人を行わないため、通年で中途採用しているところは非常に少ないようです。

転職する側としては、無職の空白期間が生じる恐れもあるので、転職を希望する病院の採用試験日程などには注視するようにしてください。

民間の医療機関でも、求人数はそれほど多くはありません。

民間の病院では新卒の薬剤師を優先して採用するケースが多く、中途にまで機会が回ってこないのが現実のようです。

結果として、転職市場では中途採用の難易度が高まってしまっているのです。

病院薬剤師の求人数は絶対数が限られているので、大きな総合病院ばかりに目を向けていると苦戦を強いられることになります。

しかし、視点を中規模の病院にまで広げることで、病院薬剤師への転職のハードルは低くなるでしょう。

中規模の病院だからといって、業務内容は大規模な総合病院とさほど変わりはありません。

抗がん剤をはじめとした、あらゆる薬品の処方に触れることができるため、薬剤師としてのキャリアは十分に積むことができるでしょう。

専門病院が狙い目

それでも十分な求人数がない場合は、専門病院やケアミックス病院まで視野を広げると良いでしょう。

専門病院は、脳神経外科や精神科、整形外科やリハビリテーション科など、分野が限定的である分、学べる知識が限られるのが欠点であります。

そのかわり、医院数も多いため求人数も豊富にあります。

ケアミックス病院は地域に密着した医療機関であるため、地域住民にとっては欠かせない施設ですが、慢性的な人材不足に陥っているところが多いようです。

こういうところにまで目を向ければ、病院薬剤師への転職も有利に運べるでしょう。

まとめ

薬局薬剤師から病院薬剤師への転職は、一般的なキャリアアップを前提とした転職とは性格が異なります。

病院薬剤師への転職を希望する方は、給与面における改善よりも仕事のやりがいを重視する傾向が強いです。

病院薬剤師に求められるスキルは高く、それだけに求人数は限られるため、転職は容易ではありません。

しかし、転職先を総合病院だけでなく、専門病院やケアミックス病院にまで視野を広げれば求人数は増え、転職の機会にも恵まれるでしょう。


このコラムの監修者

株式会社エリメントHRC

キャリアアドバイザー

児山 亜樹(こやま あき)

都内私立大学卒業後、金融機関に入社し、金融コンサルタントとしてビジネスマン・経営層(役員クラス)に対し、運用商品の営業に従事。その後、医療業界特化のサーチファームであるエリメントHRCに転職し、現在までに1000名以上の医療従事者の転職支援を行っている。営業、専門職、医療有資格者など多岐に渡る人材をサポートし、特に看護師・放射線技師等のコメディカル人材の【病院⇒企業】への転職サポートに強みを持つ。